【this and that】SASSAFRAS 真打ち登場 ガーデニングウェアのエポックメイキング
ササフラスの定番アイテムといえば、一番最初に上がってくるのが、このFall Leaf Pantsです。 これはササフラスの黎明期から登場しているエポックメイキング的存在です。
このパンツの登場により、当時、明確なジャンル分けが無されてなかったガーデニングウェアというジャンルが確立されました。その特徴といえばFall Leafシリーズに付いている両サイドにある巨大ポケットです。
いままで紹介したパンツにも両サイドの巨大ポケットがありましたが、すべてはここからスタートしています。そんな巨大ポケットの起源はオーバーオールの胸ポケット(ビブポケット)がリサイズし移植されたもだそうで、いまだに根本的なアップデートが無いことを思うと、この時点から(最初のコレクションから)Fall Leaf Pantsのポケットは完成されていたのでしょう。
そんなササフラスが堅固なブランドである理由は、ガーデニングといったコンセプトだけではありません。 その作りにも秘密が隠されています。
取引先やファンの方は知っていると思いますが、生産背景もデニム生産などで培った技術や技が結集しています。その最たる部分はポケットが重なり合う縫い目です。ササフラスで使用する生地は厚手のものが多いです。初期のササフラスはほとんどがハードコアな素材だったと記憶しています。それが何重にも折り重なれば、まぁ針も入らないほど固くなるわけです。それを可能にしたのはアメリカのミシン「ユニオンスペシャル」(以下、略してユニスペ)です。このミシンは米製ビンテージウェアにある「union made」の由来とも言われています(諸説ありますが・・・)。ポケットにあるネームには、まさに「UNION SPECIAL」とあり、ユニスペで縫製されていることを表しているのです。
そんなユニスペ縫製のパンツのパワーが分かるのは股下の重なった縫い目だそうです。ここは4枚の生地が重なりそれを縫い合わせているわけですから、ちょっとやそっとじゃぁ針が入らないわけです。それをサクッと同じリズムで針入れしてくれるのがユニスペだそうです。また、ベルトループにも生産者の誇りが見られます。それがベルトループにある7本のステッチです。これも並行にまっすぐステッチを走らせるというのが、他のブランドはコスト的にもリスク的にもやらない仕様でしょう。
まぁ、ほかにも生産的視点の面白いポイントがあると思うのですが、いかんせん20年も前の記憶ですから、また、機会があるときにインタビューしてみようと思います。
そんなFall Leaf Pantsのタイガーカモフラージュバージョンですが、現在、私が持っている唯一のFall Leaf Pantsなんです。シルエットに関しては詳しく聞いていませんが、わたし的にはリーバイスの505に似ています。ジャストサイズで穿けば、わたしのようなお尻が大きい人間だと、少しスリムかなってシルエットになるし、大きめを穿けば90年代のバギーパンツを彷彿させてくれます(個人的に好きなシルエットです)。
まだまだ、奥の深いFall Leaf Pantsです。快適な洋服が増える中、少しジャジャ馬な雰囲気も持っていますが、乗りこなしたときに、自分のスタイル形成のお役に立てる一品だと思います。
追記があれば、また報告するということで、今回はここまでです。