【this and that】SASSAFRASのフェーズワンで双璧をなすアクションスリムパンツ
前回、Fall Leaf Pantsの完成度について紹介しました。そして、こちらが初期のササフラスで定番Fall Leaf Pantsと双璧をなしていたパンツ、Sprayer Pantsです。
そんなSprayer Pantsは、ストレッチ素材を使用せず、どこまでジャストフィットに、しかし、快適に穿くことが出来るのか? それに挑戦したパンツです。
こうした発想は、世代も関係してくるのでしょうが、手に入れたビンテージデニムのサイズが合わないときに、乾燥機をガンガンかけたり、濡れた状態で伸ばしたり・・・好みのサイズに近づける感覚に似ています。こうして自分色に染まると、愛着が湧くんですよね。
もちろん、このパンツはビンテージではありませんから、自分好みのサイズを最初から選べるのですが、もしSprayerの流儀があるならば、ジャストサイズからちょっとだけテンションをかけて自分色に馴染ませるのが正攻法でしょう。
構造の話をすると、サイドポケット部分はY字にステッチを走らせており、縫い目が腰骨に干渉しないデザインです。また、股下にはガゼットがあるので、ワークウェアでありながら、クライミングパンツばりの可動域を発揮する建て付けです。これぞスリーディメンション(3D)・・・立体構造です。この構造を実現させたのは、ササフラスならではの強度ある縫製技術と打ち込みの良い生地選択によって発揮されています。
ここ最近、穿きやすさ重視というか、流行も相まってスリムパンツの需要が減ったように感じます。今あるスリムパンツも、そのほとんどがストレッチないし伸縮素材で、「ファッションは我慢」的な発想は遠い昔の話みたいです。
そうなると、Sprayer Pantsはその時流へのカウンターパンチです。穿くうちに馴染んでいく天然のカスタムメイドとして、洋服の楽しさを伝えていって欲しいですね。