【this and that】およそ15年が経過してもステイゴールドな、わたしのプロダクト「本の洋服」のこと
およそ15年前、わたしはブックカバーを作っていました。文庫本、単行本からサイズを調べ、自分なりの設計図(パターン)を作成して、かたちにしていました。それが、写真にあるThunder Heart BOOKSのブックカバーです。
ちょうどIPhoneが発売され、スマートフォンもこの頃から快進撃をはじめています。しばらくすると、スマートフォンでも本が読めるようになって、電子書籍の普及も急速に進みました。
だから、自然と実態のある本の存在は無くなっていくのかとも思いました。だからブックカバーも当然いらなくなるジャンルじゃないか?って、そう感じていたワケです。
しかし、最近のわたしはこのブックカバーを引っ張り出して、めちゃくちゃ使ってます。はじめは久しぶりの出張で使ったのですが、それ以外でも毎日、かなりの頻度で使うようになりました。
なぜか?
そう、ブックカバーがあると旅に出たくなるんです。また、どこか読書する場所をさがしたくなるんです。
つまり、自分のフィジカル(肉体)を動かしたくなるんですね。グラウンディングといった感じに近いですかね?
わたしの場合、電車やバスでのんびり旅行したいって感じです。その移動時間や現地に到着して、いままではスマホで情報を集めることに謎の責務を感じていたその時間を、自分への投資の時間として読書に費やすようになりました。
スマホやサブスクリプションを見ていると、いつでもザッピングができますから、広く浅く情報を取得する要素が強いです。わたしの場合すぐに忘れちゃいますけど・・・
でも読書は、映画とも繋がると思いますけど、1点に没入していく感じですね。ネット社会の逆をいく情報の取り方だと感じます。
わたし的には、どちらも良さがあると思っていて、ただ、最近はバランスが悪かったんです。どうしてもネットで獲れる情報の方が、簡単に入手できて、膨大な量ですからね。そっちに思いっきり寄ってしまっていました。だから、読書によって、その戻し作業を行なっているのです。
さて、ここからはわたしの作ったブックカバーの話です。
もともとは、「本のための洋服」をコンセプトに作りました。人(ひと)の場合は身体(からだ)はひとつに対し、洋服いっぱいですよね。ブックカバーの場合は、本いっぱい(その都度入れ替わる)に対して、ブックカバー(本能洋服)はひとつです。だから、洋服と同様にしっかり作りました。
さらに、旅に持っていく、また、屋外での読書を考えると、本を多少なりとも守ってやりたいと思います。そのため素材はコーデュラナイロンと、冬は寒いからウールのメルトン素材にしていました。(わたし的に)今ではウール素材は年中イケるって信じています。だって、動物の毛ですからね。
中にはカードやしおりを入れるポケット(ちょっと多すぎちゃいましたね)を作って、しおり用のリボン、ペン刺しなどを配置しました。どれも、使いますよね。こうして、本のための洋服が完成いたしました。
わたし自身、大変使えることを実体験を持って噛み締めています。また、ここ最近「いまだに使っているよ」って数名の方にも言われました。
まさかのタイミングです。
そんなワケで、本のための洋服を再始動するべく、さらなる開発に心を向けているのでした。楽しみに待っていていくださいね。
ちなみに、当時のブランド名「Thunder Heart BOOKS」は「心を打つ記録」って意味です。わたしの好きなサンフランシスコの本屋さん「シティライツブックストア」がチャップリンの「街の灯(シティライツ)」にちなんで名付けたことから、わたしの大好きな映画「サンダーハート」にちなんで名付けてみました。いまは、自分的にちょっと恥ずかしいんですよね。だから、別の名前にしたいなぁ〜なんて思っています。ではでは・・・