【this and that】UNRIVALEDの魅力が全部乗せなカットソー
デザインを紐解くたびに、新しい発見があって紹介するのが楽しいUNRIVALEDです。今回もそんな心を動かされる仕掛けがムンムンしているSEWONBORERZというボーダーカットソーを紹介します。
こちらのメインボディは白と紺色の、まぁボートネックシャツの定番ボーダーであるセントジェームスのような細ボーダー生地です。この生地を使えば、大抵マリンっぽい雰囲気にデザインが引っ張られますけど、そこは襟と肩、脇、袖下にポリエステルのフライス生地を使うことでマリンっぽさが全消しになっています。そして、ボーダーのロングスリーブTシャツな雰囲気に仕上がっています。
一方、このフライス生地もアーミー色で、こちらも軍物な雰囲気に引っ張られるはずですけど、ここも、細ボーダーの生地でうまいバランスで均整を保っています。
生地の雰囲気で言うと、細ボーダーはナチュラルなイメージ、ポリエステルのフライスはスポーツっぽいイメージですが、生地の部分でもどちらの印象も消しあって、長袖Tシャツな佇まいとして収まっています。ここがすごいんですね。足し算したのに、無味で爽やかさな雰囲気に仕上がってるってところ!
ここ最近、違うテイストを混ぜることを危険視しているのか、あまりこの部分で冒険をするブランドを見かけません。 そのため、こうした技術が育たないわけですけど、UNRIVALEDは場数が違いますからね、とっても上手です。
なんだか、オリジナル通りでサイズや素材で遊んでいるブランドよりも、デザインが淡白に見えるのは、わたしだけでしょうか?
そして、片袖口のオレンジの色使いと、脇にある大きめの白ネームタグですね。
これはストリートブランドです!!というシーリングスタンプがバチン!っと押された感じですね。これのネームがシンプルなので、大人な雰囲気なストリートウェアへと格上げされます。
最近、UNRIVALEDを解説する上で、楽しい気付きが多いことから、同じようなこなし、足し算ミクスチャーな技術を他ブランドでもチェックしてみました。
そもそもな裏原宿系譜のストリートブランドでも、生地やパッチ、プリントなどはストリートの名残がありますけど、それ以外は今のトレンドに合わせて、元型を基調としたところからのアレンジでした。
また、もう少し下の世代のブランドは勿論、元型があるものの、そのサイズを拡大縮小したり、生地を変更したりする、なんだかAdobeのイラストレーターやフォトショップで加工しているようなデザイン遊びをしているブランドが多いです。
そして、ミクスチャーなどデザインを売りとしたデザイナーズブランドも、コレクションとしての芸術的アレンジは別として、実際に一般販売されている洋服のこなしは、あまりアレンジの遊びが少ない印象でした。
そんなことで、さらに唯一無二感に拍車がかかって、このブランドすごいなぁ〜とわたしの中での印象が深まるのでした。
だれか、このジャンルの面白さに気がついて、同じことやってこないかなぁ〜って、思います。特に世代が違う人ですね、どんなこなしをするか本当に興味あります。このジャンル、素直に面白いですから。
並びのブランドが出てくれば、UNRIVALEDがメインストリームに上がってくる日も近いと思います。ホント楽しみ・・・