【this and that】Tシャツ制作の大変さを感じつつSTAD DESIGNに触れてみる
いよいよTシャツのシーズンになってきました。ファッションに興味がある人だったら、Tシャツへのこだわりや、そこに至るまでの遍歴がたくさんあると思います。
わたしも幼少時代にもらったアメリカ土産のポリエステル混の企業Tシャツからはじまり、学生時代はヘインズの赤いネームのパックTEEの洗礼も受けて(すぐ首がダレダレになっちゃうんですよね)現在に至っています。それでもまだ、好みのTシャツ探しの旅は続いています。
今回は、だれもが着用経験が豊富で、各々こだわりを持ったTシャツの世界、そんなレッドオーシャンへ、自ら身を投じて作り上げたデイリーユースブランド"STAD DESIGN" の紹介です。
アメリカで普通に売っているTシャツは(これはわたしが好きなジャンルですけど)、だれでも着用可能なサイズ設定です。用途や好みに合わせて、薄い生地だったり、厚手だったりとさまざまですが、ファッション的要素は優先されていません。
一方、STAD DESIGNのTシャツはとてもスタイリッシュです。ファッション目線ありきで、どこまで着用時のシルエットだったり、心地良さだったりを日常着として落とし込めるかへの挑戦とも感じます。つまり、目指すベクトルが逆方向なんですね。
そんなSTAD DESIGNが選択したのは、厚みのあるコットン天竺です。日々使いと長期使用を想定した素材と、この素材に相性が良いネックの仕様はバインダーです。これは、リブの生地で挟み込んだ、厚手のTシャツでは定石でもあり、わたしも好きな組み合わせです。
さらに、繊細かつ立体的なパターン制作はSTAD DESIGNの得意分野です。たとえば、シャツを着た時にTシャツが邪魔にならず、同時にジェンダーレスも想定した余裕あるシルエットとのコト(ここはモデルカットを参照してみてくださいね)。製品は洗いと乾燥を経ているため、立体感も感じつつ、すぐに着用が可能となっています。
そして、ブランドのKEYとなっているのが胸ポケットです。
下部分が楕円になっているポケットデザインはSTAD DESIGNの顔となっています。その柔らかい雰囲気が、ブランドイメージをしっかり伝えていますね。
余談にはなりますが、ある時から(わたしの場合)無地の白いTシャツはポケットが無いと恥ずかしくなりました。なんか、下着感が強く出てしまう感じがするんですよね。だから、ポケットが付いてるのは本当に嬉しいです。
そして、忘れてはいけないのが、このTシャツは丸胴の仕様です。丸胴とは、脇下に縫い目のない筒状に織られた天竺で作られているということです。
大量生産をする企業や人気ブランドはコスト的にもミニマム的にもクリア出来ますが、インディペンデントなブランドで丸胴を使うのは、覚悟や本気度を感じます。丸胴って身幅の設定も難しいですし、リスクもありますから、本当に好きじゃないと使えない仕様ですよね。
特に、最近の資材高騰などを考えると、希少価値がグッと上がった気がしています。
最後に、裾のピスネームもブランド然とした効力を発揮していると感じました。
定番のTシャツ制作って本当にストイックな世界ですね。
主張を控えつつ、でも、個性が埋没しないように・・・
安価なファストファッションからハイファッションまで、幅広いブランドが手掛けているアイテム、そんな無地Tシャツの機微を汲み取って良さを伝えたくなってしまうのは、アパレル定員の(だった)性なのかもしれませんね。
もし、少しでも自分のスタイルに合いそうだったら、毎日着用する最適解を目指した ”渾身の1着" STAD DESIGNのTシャツを、ぜひとも試してみてください。確実にファッションスタイルの幅がエクスパンドするアイテムだと思います。