備忘録【28】:かつての商材との向き合い方雑考について
このGATHERERSというサイトを立ち上げてから1年以上が経過しました。
今回は少し前の商材を想いを持って向き合うことの難しさを実感しているというお話です。
わたしの生業であったアパレルの経済活動を継続する中で、新作をリリースし続けることは、必要不可欠です。
しかし、わたしはこのGATHERERSというサイトを通して、かつての商材(旧商材)を再度見つめ直して、その良さを伝える活動を進めようと思い発信を続けています。
この温故知新な活動で、新旧どちらも動きが出るのでは?と考えたのですが・・・
【新作から旧商材へ】
多くの店舗では、シーズンを終えた時点で、商品売れ残ってしまう ことはショップの宿命です。セールをする店舗もありますが、コンセプトがしっかりしたブランドだったり店舗では、セールをほとんどしないお店も多いですね。
そして新作がリリースされるタイミングで、旧商材となり、店舗としては新作に全力を注ぐ必要がありますから、旧商材の動きはスローになる・・・まぁ当然ですね。
【旧商材はアーカイブ】
ただ、旧商材もかつて想いを込めて制作したり仕入れたアイテムです。つまり、これこそ店舗のアーカイブになります。
アーカイブの集積は、その "ひととなり" ならぬ "店となり" を表します。だから、いつもでも大事です。ここにもう一度スポットライトを当てることで、新作が入荷した意味、ブランドの良さなどを再認識するきっかけが作れるはずだと考えました。
【旧商材に対する慣習】
ただ、わたしが旧商材をアーカイブと呼んだところで、ほとんどの人の認識は旧商材で、それ以上の意味を持ちません。その中で「かつてのアレ、探していたんだー」とか「やはり、これ買っておこう」って購入するのは、一部の方だけです。
ほとんどが、セール品にしないとなかなか動きにくいという現実があります。流行を追っているブランドなら、この流れで良いと思います。
いっぽう、定番的なスタイルを貫いているブランドはアーカイブとして珍重されれば良いと思いますが、まだまだ旧商材はセールになる流れが一般的で、旧商材への価値基準を変化させるのが難しい・・・
しかし、それを打破するのは販売側の想いです。
【販売側の想いで変わる】
店舗という限られた世界でいえば、販売側の想いで旧商材はアーカイブでもあるし、ビンテージウェアとして価値が変わりません。わたしはそれを20年近く体感してきました。たとえ、ほかの店舗でセールになっていても、あまり関係がありませんね。もちろん、買う側の向き合い方も重要ですが、購入後の満足感も新しいから良いというわけではないんです。
それを感じているからこそ、GATHERERSというサイトで、そんな店舗だったり、ブランドだったり、お客さんの買って良かった!って気持ちの後押しをしようと試みているのですが、コトはうまく進みませんね。
【GATHERERSの障壁】
GATHERERSでの障壁はふたつあります。
そのひとつは、まぁこのニッチなサイト・・・初速の弱さでしょう。この文章を読んでくれている方も現段階では少ないですからね。これはわたしの問題ですから、コツコツとトライアル&エラーを繰り返して継続するしかなさそうです。
もうひとつはウェブサイトであること。ウェブサイトでも伝わると思っていましたが、発せれる波動が少し足りませんね。
そうなると、直接、接せられる小さなイベントなどをする必要を感じています。
先日、Creative Doorsというイベントを開催しました。これは経験として大きかったですね。勉強になりました。
また、京都でYes Good MarketというイベントのMountain Parkingのバーター(にぎやかし)で急遽参戦させていただきました。ここでは旧商材を売る活動は出来なかったのですが、次からのステップアップにはつながりそうです。
兎にも角にも、このGATHERERSに協力してくれているブランドの良さあってのサイトです。有り難さを感じつつ、日々サイトを盛り上げていこうと思っています。