備忘録【9】:「失われた世代」に魅せられた話
最近は、ファッション雑誌を読む機会がほんとうに減りました。たまに、置いてある雑誌を手に取ってペラペラっとページをめくるのですが、右から左、あまり集中出来ません。その原因は、欲しい情報はネットで探せる時代だし、(歳をとって)流行への興味も薄くなってしまったからでしょう。
かつての自分は、あれほど雑誌で心踊らせていたのに・・・
わたしの人生で1番着用していると思われるブランドは(たぶん)ポロ ラルフローレンです。そんなラルフローレンは70年代の映画「華麗なるギャッツビー」の衣装を担当したことで、さらに有名になったと言われています(昔、雑誌の記事に書いてありました)。その原作こそロストジェネレーションの雄、フィッツジェラルドの小説「グレートギャッツビー」です。
本作のロバートレッドフォードはめちゃくちゃカッコイイです。しかし、さすがに映画のようなファッション(すごいゴージャス)で生活していたら近所の有名人ですね。こっちのゴージャスな方は、わたしが上流社会の仲間入りをしたらお世話になるとして、カジュアルの方は日々お世話になりつつ、うっすらとしたロストジェネレーションの香りを感じていたいと思っています。
そのカジュアルなラルフローレンの話は、また機会があるときにツラツラと綴りたいと思います。
まだまだ書きたい本題に到達していないのですが、上の文章を書いていて、ひとつ思い出したことがありました。
高校生の頃、映画「〜ギャツビー」にあったようなラルフローレンのジャケットを親父のワードローブで見つけました。おそらく親父が仕事帰りによく立ち寄っていた銀座の松屋で買ったのでしょう。ラルフローレンらしい明るいブルーのシャンブレーカラーで上品な平織りの素材です。ラペルは天日干しのスルメイカみたいに広くって、腰はエグいくらいにシェイプされています。もちろん肩パッドは切り立つ崖のようです。
当時人気ブランドだったラルフローレンのジャケットを見つけたときは、「ラッキー!今度、お願いして借りちゃおう!」などと思っていましたが、どう頑張っても70'sの刑事みたいなシルエットが拭えずに、泣く泣く断念した思い出です。当時はボックスシルエットが流行っていましたからね。
本題に戻って、ロストジェネレーションのファッショとして、わたしはどんなスタイルが好きなんだろう・・・ってはなしです。
それは、もうひとりのザ・ロストジェネレーション、アーネスト・ヘミングウェイです。アメリカンカジュアルの ”いぶし銀" スタイルを掘り進めると、その終着地のひとつが彼(かれ)にたどり着きます。
かつてのわたしは、彼の着ていたローゲージのタートルネックとかサファリなジャケットとか、まぁ、小さな白黒写真から彼を見つけては、こんな格好したいなぁと夢想してたワケです。なぜこんなにも惹かれるとかといえば、子供時代に「兼高かおる世界の旅」や「すばらしい世界旅行」を夢中で見ていましたから、世界旅行へのイメージが浮かんでくるのだと思います(パンナム機に乗ってね)。だから、潜在意識の中でヘミングウェイな格好で、いろんな海外に行きたいな〜って意識が、わたしの中でフワフワっと漂っているのです。
とはいえ、ここ20代から現在までは、旅を快適にするバックパッカーなスタイル(カジュアルなスタイル)が好きでした。しかし、最近は、オジサンになった現実に抗えなくなって、ミングウェイなエッセンスを加えたくなってきた今日この頃です。
そして、ようやくここからが触れたかった話です。
前にも触れましたが、親友がわたしにロストジェネレーションの背景的な話をしてくれたことで、どっぷりこの時代にハマってしまいました。その彼の話の中で「ロストジェネレーションの象徴的なアイテムはローファーだ」と言うんです・・・
はじまったばかりですが、話が長くなりそうなので、次回のブログへと続きます。
ではでは・・・